4月14日

 余命が3ヶ月しかなくて、もうほとんどを食いつぶしていて、翌日安楽死するという設定だった。完全にドラマの影響。夢のなかで私は「でも本当に死ぬとは限らないし、様子見してもいいのでは?」と気づいて誰かにそう言っていたんだけど、流れは変えられなかった。そうこうしている間に目を覚まし、掛け時計の文字盤が目に入る。たしか6時か7時。再び目を瞑り、今度は11時。ベッドにいるのにも疲れて起き上がる。

 

 身支度をするのにこんなに体力を要するだなんて思ってもいなかった。平日の私はいつも仕事前にあんなことをしているの?なんとか整えて外へ。パン屋へ辿り着き、なにか食べようと思うも目星がつかない。あのパンもこのパンも持ち帰りにはいいけど、いま食べたいのとは違う。買うだけ買って外へ出た。たっぷりのソイラテを飲みたくて、結局さらに隣の駅まで歩く。テラス席で金原ひとみの小説をめくった。少し前に読みはじめた短編集、一つ目も二つ目も主人公が私にしか見えなくて、ううんそれは言いすぎ。私にある要素を多分に携えた人たちで、なんだか救われる。こんな普遍的に存在できるくらいの特徴しかないんだって。これが作品になるってそういうことだよね。