3月9日

 眠い体を引きずってヨガ。ばたばたと身支度をして星が丘へ。児童書売り場で落ち合ったその子は、私の姿を認めるなりすらすらと二言三言話してくれた。

 ライスがテーブルに運ばれた直後、パンののったお皿が落ちた。あっけに取られていたら、ポテトののったお皿が後に続いた。事態を把握するのにかかったのはきっと1秒くらい。隣のテーブルの幼い女の子に声をかけて、目につくものを手当たり次第に拾いはじめたところでフロアスタッフの人たちが駆けつけてくれて、全てを元どおりにした。パンとポテトはもちろん、もともとそこにはなかったライスまで。きっと、お米を食べたくて、眠かったんだと思う。彼女は2歳の子を必要十分なだけ叱り(トーンも内容も流れも、なにもかも見習いたいと思うくらいだった)、背中をとんとんと叩きあやしていた。状況が少し落ち着いて見えた頃、ハンバーグを切り分けながら、7月の異動について話した。

 そもそも眠かったところに、私にとっては軽いインシデントレベルのことが起きたうえ、気温が低くて風が強くて、とにかく私は夕方までに今日の根気を使い果たしたんだと思う。帰るとお化粧を落としてパジャマに着替え、すぐさま目を瞑る。もともとそうするつもりだった。

 

 夜明け前かと思えばまだ今日。寝すぎたときの頭痛まで感じかけたのに。終わらせたはずの人が名古屋まで来ていたのは聞いていたけど、その時間まで私を待っていたこと言われてさらにぞっとする。人の気持ちは縄でくくれないこと、正しいことの全てがまかりとおるわけではないこと、物事はある日急に説明のつかない状態に転じ得ること、一つも知らないのだろうか。

 会いたかった人と会いたいねと話していて、あした叶いそうだったところにどうしようもないことが起きた。私にいつ起きてもおかしくないようなこと。